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石井 哲朗
no journal, ,
原子力機構・東海タンデム加速器施設において、Oビームとアクチノイド標的との2核子移行反応を利用したインビーム線測定により、中性子過剰核Th, U, Pu, Cmの12準位までの基底状態バンドを確立した。原子力機構で開発した高分解能Si E-E検出器を用いて、散乱粒子を質量数で分離することにより可能になった実験で、これらの原子核の線が観測されたのは初めてである。またCmは、高スピンの線が観測された原子核としては、最も中性子数の大きな原子核である。2準位のエネルギーの系統性から、ではが変形閉殻構造をしているが、のPuでは閉殻が消滅していることを明らかにした。
牧井 宏之; 石井 哲朗; 浅井 雅人; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 松田 誠; 牧嶋 章泰*; 金子 順一*; 當銘 勇人; 市川 進一; et al.
no journal, ,
(O, O)2中性子移行反応により、中性子過剰核Puを生成し、インビーム線分光を行った。測定は独立行政法人日本原子力研究開発機構のタンデム加速器施設において、電着で作成した直径3mm,厚さ0.7mg/cmのPu標的にエネルギー162MeVのOビームを照射することにより行った。標的からの散乱粒子を4組のSiE-E検出器で観測し、残留核から発生する線は6台のGe検出器で観測した。SiE-E検出器で散乱粒子Oを識別し、さらにその運動エネルギーを選択することにより、残留核(Pu, Pu及び、Pu)から発生する脱励起線を同定し、Puについて初めて12までの基底バンドを確立することに成功した。さらに観測された基底バンドの線エネルギーから慣性能率を導出し、Pu(Z=94)ではN=152の変形閉核構造が弱くなっていることを見いだした。
西尾 勝久; 光岡 真一; 池添 博; Hofmann, S.*; Heberger, F. P.*; Ackermann, D.*; Antalic, S.*; Comas, V. F.*; Gan, Z.*; Heinz, S.*; et al.
no journal, ,
重イオン融合反応Si+UによりSg同位体を合成し、この生成断面積を調べた。実験は、ドイツ重イオン研究所(GSI)で行った。反応エネルギーE=144MeVにおいて、Sgから始まる3つの崩壊連鎖を観測した。断面積は、67pbであった。サブバリヤエネルギーE=133MeVで新同位体Sgを3つ合成し、断面積10pbを得た。これは自発核分裂で崩壊し、半減期は120msであった。これら断面積を統計モデル計算と比較した。融合過程においては、Uの変形を取り入れたチャンネル結合法で捕獲断面積を決定した。この値は、原子力機構のタンデム加速器を用いて行ったSi+Uの核分裂断面積とよく一致した。E=133MeVでの断面積の値は、一次元モデルに比べて10倍大きな値であり、ウランの変形によってサブバリヤで断面積が増加していることを明らかにした。しかし、計算との不一致から、準核分裂が何割か存在することが示唆された。クーロン障壁より高いエネルギーE=144MeVではSiはUの赤道面と接触できる。Sgの生成断面積67pbは、統計モデル計算値によく一致し、融合に阻害がなかった。これは、赤道面衝突が融合に有利であることを示唆している。
浅井 雅人; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 永目 諭一郎; 西中 一朗; 市川 隆敏*; 小島 康明*; 末木 啓介*
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超重核の殻構造を実験的に明らかにするため、Noの崩壊に伴う線を-同時計数法を用いて測定し、中性子一粒子軌道のエネルギー間隔や順序を調べた。7本の線が観測され、Noの娘核Fmの励起準位のエネルギーを決定することができた。またFmの励起準位及びNoの基底状態のスピン・パリティ,中性子軌道配位を同定し、中性子数N=151原子核における中性子一粒子軌道のエネルギー間隔と順序を明らかにした。その結果、Fm及びNo原子核におけるN=152変形閉殻のエネルギーギャップが、それより軽いCf, Cm, Pu原子核に比べて大きいことがわかり、超重核の殻構造を明らかにするうえで重要な情報が得られた。
橋本 尚志; 石山 博恒*; 平山 賀一*; 渡辺 裕*; 今井 伸明*; 宮武 宇也; Jeong, S.-C.*; 吉川 宣治*; 田中 雅彦*; 野村 亨*; et al.
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宇宙初期での非一様ビッグバン模型や超新星爆発中の元素合成過程においては中性子過剰な環境が作られるため、原子核反応の経路は安定線よりややずれて中性子過剰核を経由して進むと予想される。この過程においてLiは安定核の存在しない質量数8を越える鍵となる元素として注目されている。われわれのグループではLiの関与する反応の断面積を測定することで反応経路を明らかにすることを目的として実験を行っている。本講演ではTRIACで行われたLi(d,t), Li(d,p), Li(d,)反応断面積の測定について報告する。
早川 岳人; 静間 俊行; 梶野 敏貴*; 小川 建吾*; 中田 仁*
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太陽系に存在する約290核種の安定同位体のうち、最も起源が謎なのは35核種のp核と呼ばれる同位体である。このうち、27核種が超新星爆発の光核反応で生成された証拠をわれわれが太陽組成に発見している。そのため、残り8核種の起源が残された謎である。これら8核種のうち、La-138, Ta-180の起源として、超新星爆発におけるニュートリノ入射反応(ニュートリノ過程),高エネルギー宇宙線による破砕反応,遅い中性子捕獲反応の弱い分岐(Ta-180のみ)が提唱されている。この中で、ニュートリノ過程による生成仮説が現在最も有力である。しかし、太陽組成,天体観測データ,始原的隕石等の証拠がない。La-138の基底状態は101Gyrの半減期でベータ崩壊する。La-138と娘核であるCe-138の量から、La-138が生成された年代を知ることができる。しかし、ここで問題になるのは娘核であるCe-138の初期量の評価である。Ce-138の初期量を評価する手法が必要である。そこで、われわれはCe-138はp核であり、p核に関するScaling則を適用する手法でLa-138をニュートリノ過程の原子核宇宙時計として提案する。
宇都野 穣; 大塚 孝治*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*
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殻模型による微視的計算が近年進展し、現在、不安定核の構造はより重い質量領域に至るまで、核力に基づいた理解が可能になりつつある。この講演では、中性子数28の魔法構造がテンソル力によってどのように変化するかを、sd-pf殻をバレンス殻に採った大規模殻模型計算によって調べた結果を報告する。これまでの多くの研究では、有効相互作用に含まれるテンソル力は核構造にあまり効かないと思われてきたが、最近の研究ではそれを正確に決めることが安定核から不安定核へ至る構造の変化を記述するのに重要であるとわかりつつある。そこで、最近の研究によって適切であると考えられているテンソル力と、これまでよく使われてきた弱いテンソル力の二つの相互作用を用意し、どの原子核でその違いが顕著に現れるかを調べた結果、中性子数が魔法数28であるシリコン42核とその周辺核で最も顕著な違いが見られた。すなわち、適切なテンソル力を用いた計算では、28の魔法数は完全に消滅するのに対し、弱いテンソル力では魔法数が残っている。この違いは、シリコン41や、リン43でも見られ、今後実験でこれらの核構造や殻構造を決めるのに役立つ結果となった。
光岡 真一; 池添 博; 西尾 勝久; Jeong, S.-C.*; 渡辺 裕*
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原子力機構タンデム・ブースター加速器からの重イオンビームZnを薄膜標的PbとBiに照射し、172, 168, 162に超後方散乱された準弾性散乱粒子を半導体検出器で検出した。ビームエネルギーを1.5MeVステップで変えて測定した準弾性散乱断面積の励起関数について、ラザフォード散乱断面積との比をとり、エネルギーによる1階微分をとることで、クローン障壁の分布を導出した。クローン障壁からの反射による散乱と透過による融合は相補関係にあるため、超重元素である114番元素と115番元素を合成するための冷たい融合反応Zn+PbとZn+Biにおける融合障壁分布を実験的に初めて導出したことになる。
丸山 敏毅; 巽 敏隆*; Schulze, H.-J.*; 千葉 敏
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中性子星中心部での高密度物質の研究として、以前、通常原子核物質とクォーク物質の混合相の性質と構造を研究したが、原子核物質の状態方程式としては非常に簡単なものを用いていたうえ、ハイペロンの自由度がまったく考慮されていなかった。そこで今回、Brueckner理論に基づくハイペロンの自由度を含む、より現実的な状態方程式を用いてハドロン物質とクォーク物質の構造を持った混合相(パスタ構造)を計算した。混合相を考慮しない場合はある密度でハイペロンが現れ、その後クォーク物質に変化するが、混合相を考慮した場合、ハドロン物質の密度が低く押さえられるためハイペロンが現れず、通常原子核物質とクォーク物質の混合相となることを示した。
山田 悟; 奥 隆之; 三島 賢二*; 佐藤 広海*; 広田 克也*; 森嶋 隆裕*; 大野 雅史*; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 清水 裕彦*
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原子炉や核破砕中性子源から発生する低エネルギー中性子(meV)を偏極させたビームは、基礎物理においては中性子ベータ崩壊におけるスピンと相関を持つ項の係数測定などに広く用いられている。現在主として使われている中性子ビームの偏極法には中性子磁気ミラーを用いたものや、Heフィルターを用いるものがある。これらは中性子ビームを物質に通して、物質と中性子との相互作用を利用して偏極させる方法であるため、偏極子による中性子の吸収や散乱によるビーム強度の減少という問題点がある。今回発表する偏極法は、4極磁場を用いた手法であり、ビームのスピン成分を運動学的に分離することにより原理的には100%近い高偏極度を達成することが可能である。われわれは永久磁石を用いたHalbach型4極磁石を開発し、日本原子力研究開発機構3号炉の冷中性子ビームライン(C3-1-2 NOP)において実際に4極磁石を用いた中性子ビームの偏極度測定を行い99%台後半の偏極度を得た。
瀬川 麻里子; 永井 泰樹*; 正木 智洋*; 嶋 達志*; 牧井 宏之; 三島 賢二*; 上田 仁*; 天満 康之*; 井頭 政之*; 大崎 敏郎*; et al.
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宇宙の年齢を決定する最も誤差の少ない方法のひとつであるRe/Os存在比を核時計として用いるには崩壊でのみ生成された娘核Osの存在量を知る必要がある。そのためにはOs(n,)及びOs(n,)反応断面積を精度よく求める必要がある。加えて、Osは星の中で第一励起状態(Os')からも中性子捕獲を起こし存在量を減少させるため、この効果を見積もる理論模型の精度向上が急務である。そこでわれわれは上記の実験に加え次の二つの実験により得ることで、理論模型に制限を加えることに成功した。(1)Os非弾性散乱断面積測定,(2)OsとOsJRR-3の中性子ビームを用いた即発線測定により実験的な裏づけを得た。本講演ではOs(n,)反応断面積及びOs(n,n')反応断面積の実験結果と、これらの実験値と精度よく一致した理論模型によるOs'(n,)反応断面積値及び宇宙年齢の結果を示す。
小柳津 充広*; 石山 博恒*; 今井 伸明*; 川上 宏金*; 田中 雅彦*; Jeong, S.-C.*; 平山 賀一*; 渕 好秀*; 宮武 宇也; 渡辺 裕*; et al.
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インジウムやバリウム,ゼノン等の放射性核種を含む中重核領域の元素に対するチャージブリーダーの1価から多価イオンへの変換効率の実験結果を発表した。